若さの栄養学協会では、早くから「若さの栄養学6カ条」を提唱し、食と健康についての啓発活動を行っています。がん、心筋梗塞、脳卒中から身を守る食生活「若さの栄養学6カ条」を身につけましょう。

1.味つけはうす味に、食塩をとりすぎないように

塩分をとりすぎると高血圧を招き、脳卒中にかかり易くなります。胃がんも塩分の多いものを毎日とる人に多いことが知られています。塩辛い漬け物や味噌汁などでご飯を大食する人や外食・加工品をよく利用する人は、食塩を1日20g以上もとることになります。
血管を若く保つため、胃がんの予防のためにも、幼児の頃から味つけはうす味にして、食品そのものの味を味わいましょう。まだ多くの人は10g以上の食塩をとっていますが、食品中の食塩も含めて9gまでにしましょう。

2.副食物は、魚・肉・大豆とたっぷりの野菜を

若さを保つには、朝・昼・夕食のどれにも、魚・肉・大豆(豆腐)などたんぱく質の多いものと、ビタミンやミネラル、食物繊維に富んだ野菜とをとり混ぜて、双方偏りなくとることが大切です。緑黄色野菜を毎日摂ると、ビタミンE・C、カロテンの抗酸化作用でがん、老化を予防します。野菜は緑黄色野菜を含めて350~450g程度摂りましょう。
血管を若く保つために、がんや老化の予防も、大人も子供もこのような食生活を続けることが大切で、またこれによって骨粗鬆症やわが国に多い貧血を予防することもできます。

3.脂肪は総エネルギーの25%までを、動物性より植物性を多い目に

脂肪の量は、少なすぎれば血液のコレステロールが減少して脳卒中に、動物性脂肪をとりすぎれば血液のコレステロールが多くなって心筋梗塞にかかりやすくなります。また脂肪のとりすぎはがんにかかりやすくなります。日本人の脂肪摂取量はエネルギー比で26%ですが、25%以下に減らすようにしましょう。
血管を若く保つために、がんや老化の予防も、動物性脂肪(肉の脂肪、バターなど)は程々に、調理には植物性脂肪(米油、紅花油、コーン油、ごま油、オリーブ油)を。
また魚油は動物性ですが血栓を予防します。鰯など青魚を1日おきぐらいに食べるとよいです。このような食生活で血清コレステロールを180~200mg/前後に保つのがよいのです。

4.砂糖や嗜好品をとりすぎないように

砂糖・果糖やアルコールをとりすぎると、血液中の中性脂肪(トリグリセライド)が増え、コレステロールと同じように血管に溜まり、心筋梗塞や脳卒中をおこしやすくします。また、肥満や糖尿病の原因にもなります。
血管を若く保つために、和・洋菓子、甘い飲み物やアルコール類は控えめに、果物はビタミン、ミネラル、食物繊維もありますが果糖が多いのでとりすぎに注意しましょう。

5.肥りすぎないように BMI25までに

子供のときからの「肥りすぎ」が増えています。どんな年齢の人にも肥りすぎは恐ろしいことです。糖尿病やその他の生活習慣病、乳がん、子宮体がんにもかかりやすくなります。
あなたの身長に似合った体重にコントロールしましょう。
適当な体重は成人の場合、身長(m)×身長(m)×22=体重(kg) です。
[ 例えば、身長160㎝の人は 1.6×1.6×22=56kg ]

6.精神生活を爽やかに、ゆったりと、また適度な運動を

ストレスの強い生活は、血圧をあげたり、免疫力の低下など、食生活以上に悪い影響を及ぼします。過ぎたことは洗い流し、明日という日に新しい希望をかけましょう。
体力に相応する適度の運動も大切です。
タバコは、肺がん、喉頭がんなど多くの種類のがんの原因になり、また心筋梗塞をおこしやすく、老化も促進するのでやめましょう。

* この6カ条は、次の方々の協力と指導によりました。

東邦大学 名誉教授       阿部 達夫 博士
元東海大学 名誉教授      五島雄一郎 博士
聖路加国際病院理事長・名誉院長 日野原重明 博士
元予防がん学研究所 所長    平山  雄 博士
京都大学 名誉教授       家森 幸男 博士
元大阪市立大学 名誉教授    高井 俊夫 博士